令和6年6月23日(日)佐賀県立神埼清明高校で九州小学生体操大会の佐賀県予選会が行われた。佐賀県には、【神埼ジュニア新体操クラブ】と【佐賀ジュニア新体操クラブ】がある。予選会には、合計で団体5チーム、個人が9名出場することになった。予選突破は、団体2チーム、個人4名で、小学生の大会ながら、会場は熱気と緊張感に包まれていた。

 個人総合優勝を果たしたのは、寺本悠人(てらもとゆうと)小学4年生だ。徒手では、緩急をはっきりとつけた演技構成と、どこか荒々しくもあり、どこか情感溢れる動きで観客を魅了した。小学4年生とは到底思えぬ表現力だった。スティックの演技では、扱いなれた操作で次々と技を決めた。高難度のタンブリングも演技構成に織り込み素晴らしい内容だった。

 個人で3位に入賞し、見事九州大会への出場を決めたのは、浅田守(あさだまもる)。こちらも小学4年生だ。徒手演技では、総合優勝の寺本を上回る得点で種目別優勝を果たした。ザ・王道と言うような徒手演技は玄人好みで、スピードの変化を意識した表現力の中にも正しく大きな基本徒手が盛り込まれていた。柔軟性もあり、出だしのバランス以外は引きどころのない素晴らしい演技だった。スティックの演技は落下やしりもちがあったものの、観客を引き込む表現力で今後を期待させる実施だった。九州大会での活躍を期待したい。

 個人4位に入賞したのは、宮田凰雅(みやたおうが)。なんと小学3年生だ。超絶アクロバットを繰り出す小学生として、SNSでもバズっている彼だが、今回のスティック演技は圧巻だった。清明高校のコーチも「やっていることは、高校生レベル。」と評価し、審査員特別賞も受賞した。初出場で、まだ不慣れな部分も多々見られるが、このポテンシャルから目が離せない。

 惜しくも出場を逃したが、6年生の伊藤玲生(いとうれお)のキレの良い徒手。荒木愛叶(あらきまなと)小3の表現力。1年生岩里怜桜(いわさとりお)のていねいな演技。5年生の立石直義(たていしなおよし)の勢いもすごかった。佐賀国スポ2024が開催される年。佐賀県の個人も静かに芽吹いてきたのを感じた。

 団体演技は【神埼ジュニア新体操クラブ】が優勝した。このチームの魅力は何といってもタンプ力。マシンガンの用に次々とアクロバットが繰り出される第一タンプリングは圧巻だ。そして小学生団体としては史上初の3つバックを第二タンプリングに織り込んでいる。実施するだけでも難しいこの技を小学生が5人全員、そして第二タンプリングにもってきている。昨年の全国大会でも上位2チームしかこの技を入れることができなかった。動きにはまだまだ粗さやずれが見られるが、スピード感や迫力がすごい。そして、演技をする選手たちの表情が素晴らしい。その表情から「俺たちは強い」という自信や「絶対負けない」という気概が感じられた。全国優勝を果たした先輩たちに続いていく若き志士たちが目覚めている。

 そして見事準優勝し、九州大会に出場を決めたのは【神埼RG】だ。神埼ジュニアのBチームであり、昨年は九州大会でも準優勝を果たしている。神埼のテーマソングとも言われる団体演技をきっちりとまとめた。こちらも神埼らしく体を大きく使った動きとキレのある動きで観客を魅了した。タンブリングがまだできない選手もいるが九州大会までの成長に期待したい。