全国大会で6度の優勝を果たしている神埼ジュニア新体操クラブですが、今回は指導者に迫ります。
神埼ジュニア新体操クラブを現在主で指導しているのは、木原正憲(きはらまさのり)さん33歳です。2012年に福岡大学を、2014年に福岡大学大学院を卒業されて、中学校教員として地元に帰ってきました。それから約8年間、神埼ジュニア新体操クラブのコーチとして、松岡寛敏先生(現在神埼清明高校)と共にジュニアの育成に励みました。
中学校教諭時代は、ハンドボール部の顧問も務め、全中出場、そして全国ベスト8という成績を残されています。中学校で約6年間教員をされた後は、ジュニアクラブの指導時間確保のため、小学校に異動されました。現在も地元の小学校で教員をしながらジュニアクラブの運営をしています。
さて、先日神埼ジュニア新体操クラブさんを訪問した際に練習を近くで見学することができました。まず驚いたのがその人数の多さです。お休みもいると伺ったのですが、ざっと見て30名以上。そして男の子だけでなく女の子も。13:00になるとキャプテンと思われる選手が集合をかけて木原先生のところに集まります。指示を受けた後、選手たちは2グループに分かれて練習を始めました。
次に驚いたのが、選手たちが自分たちで練習を進める姿です。大きな選手が小さな選手のサポートに入ったり、声をかけたりしていました。木原先生は、小さい選手がたくさんいるグループの方につかれて、にこやかに指導をされていました。子供たちと木原先生は親子のような兄弟のような絆の深さを感じました。普段から子供たちによく声をかけ、一人一人と向き合われているのだと思いました。木原先生が座るとなぜかそこに子供たちが集まってきて「こっちこんでいいから!」と笑顔で対応する姿が面白かったです(笑)
しばらく経つと、先ほどまで柔軟をしていたグループが集まってきました。木原先生が指示を出した後、団体演技の練習とアクロバットの練習が始まりました。
木原先生は、主に団体演技を練習しているチームを見られているようでした。その団体チームも大きな選手や小さな選手が混じった3団体ほど。年齢差や技能の差も感じますが、次から次へと選手たちが演技をして、木原先生のところに集まりアドバイスを受けるという練習でした。(後に分習という名前の練習だと教えていただきました)
ここで感心したのが、選手たち自身が撮影した演技の動画を見て、話し合いを進める姿です。3~5団体近くが交代で演技をしていますが、その待ち時間も無駄がないです。これはうまくなるはずだと感じました。
それから、先生の指導の使い分けが素晴らしい!体の大きな選手がいるチーム、小さい子たちばかりのチーム。表情や言葉のチョイスがまるで違いました。おそらくレベルに合わせて使い分けられているのだと思いますが、ここまでできるものかと思いました。演技を繰り返していくうちに子供たちが実に生き生きと、そして見る見る上達していく様は圧巻でした。
まだまだ驚きがあります。それは先生のフットワークの軽さです。団体演技を見ていたかと思うと、小走りで選手の元に駆け寄り、バク転の補助をし始めました。バク転の補助をしながら団体演技の指導、そしてたまに小さい選手が来て「先生技ができたから見て!」という要望にも対応。本当に一人何役もされていて大変そうだと感じました。
さて、最後に先生にお話を伺いましたので、まとめておきます。
自身の強みについて
「仕事をする中でいろいろな児童・生徒と関わってきて、今は特別支援の児童の担任をしています。中学校と小学校の指導は全く違うことを痛感したし、特別支援の子供たちとの接し方も仕事で勉強しています。いろんな子供がいることをきちんと理解しているから、その子に合った言葉や練習方法で成長させることができる。関わる子供たちの将来を見据えながら指導しています。年齢や性差、発達段階を分かって指導できることが自分の強みだと思っています。」
指導で大事にしていることについて
「HPにも書いてますが、自主・自立・協働の3つです。日々の練習や行事を通して丁寧に育てていきたいです。ここ数年は、選手たちにもその考えが浸透してきているように感じています。演技会や体験会等のイベントは子供たちに運営を任せています。」
今後の目標について
「すでに達成しているものもありますが、①全ジュニ連覇 ②KAGFの継続開催 ③クラファンに挑戦 ④部員50名 ⑤YouTube収益化を今年の目標としています。そのためには何より発信力が大事だと考えています。今はSNSを使い、日本一情報を発信するチームを目指しています。」
これで神埼ジュニア新体操クラブの訪問レポートは終了です。これからが楽しみだと思いましたし、これからも神埼ジュニアは強くあり続けるのだろうと確信が持てる訪問でした。
文 神埼ジュニアファン F.K